2014年2月27日木曜日

掛け替えのない弟の死28

 弟に貰ったぐいのみ。
 忘れていた。

 弟の部屋にあるいくつかのぐいのみを見て、借りてきた。
 夫にその話をしたら「貰ったものがあるだろう」と言われ、思い出した。
 
 弟は時に突然いいものをくれた。
 お返しはしていなかった。なんて姉だろう。

 亡くなってから後悔したってどうにもならない。
 これから。なんて考えていたのは私の勝手。
 私の勝手が多すぎる、いや、そればかりの姉だ。
 頼ってばかりだった。
 

 今朝、弟と一緒に行動したのはいつだったかと考えた。
 何年か前のおばさんのお葬式だった。
 二人で富士吉田に行った。
 弟の運転で、帰りに花を見に行った。
 「まだ咲いていないけれど、これから咲くな」とボッソッと言った。
 弟は私に紹介してくれたのかと思った。

 ワイワイ話せなかった。
 冗談も言えなかった。
 情けない姉だった。

 かなしい。

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