2015年4月5日日曜日

気持ちがフラッシュバックする

 あの時の判断は独断的だったのかもしれないと、急に思った。
 もうやめてくださいと発した自分の声は、本当に自分の想いだったのかと不安になった。
 母にも父にも意見を求めず、医療者側の考えを代弁してしまったのではないか。
 もう戻ってこないととっさに判断してしまった。

 本当に心電図はフラットだったのか?
 呼吸をしていなかったのか?
 今となっては思い出すことさえできない。

 あきらめるのが早すぎたのではないか?
 でも、医療者側の必死さはもう感じられなかった。
 疲れ切った雰囲気の中で、弟の目はうっすらと開かれているように見え、
 肉体を痛めるのが不憫に思えたのかもしれない。

 それでも、こうして受け入れられず、あきらめきれずに今も
 どうしてと自問している。

正欲  朝井リョウ

 >作家生活10周年の著作。  大学生作家・サラリーマン作家と言われていた頃があったなと思う。  『正欲』  読み終わり考える。  読み取りの苦手な私は何が正しいのか?  作者の意図と違う感覚だと恥ずかしいと。  明日、死にたくない人の流れに乗るために思う。  このブログも登場人...