それぞれ楽しんで読みすすめました。
来世は女優・・・林さんの著作を一気に読み進め、忙しい充実した毎日を想像し、「この世でいちばん幸せで楽しそうなのは(お金持ちの奥さん)」とはっきり言い切る姿に、この方のブレない価値観を感じました。
「そうだよなー、やっぱり」と林さんの住む世界よりずっと末端にいる私も思います。
努力している姿も著書で読んできているので、そして講演会にも行ったことがあるので、余計に林さんのこの発言にリアリティを感じずにはいられません。
パシリ体質というか・・・そのようなことが書かれたものを読んだことがあるが、『わがアウェィ』では、対比するタイプをビシリと切りすてている。
世界中で迷子になって・・・角田さんの旅や日々のエッセイ。
私も読後の感想を日記のように書いているが、「読後の感想など共有できるものではない」という一文にはハットさせられる。
自分勝手につらつらと書いているのだが、よんでくれたらなーと期待する自分がいるからだ。
全く恥ずかしいものだ。
もう一度戒めた。
日々に、地に足を着けた毎日に生活感を感じる。
『500円のかなしみ』は、最近私も同じようなことをしたので、恥ずかしい・虚しい気持ちがリアルに実感できた。
自由に使えるお金は雲泥の差」があるのに、レベルの差はあるにしても、感覚がわかる、頷ける。
私は英語が喋れないので、1人旅で海外には行けないのだが。
ここでも違いはあるのだが。
『対岸の彼女』を読んだ時の「私たちは何のために歳を重ねるんだろう。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない。また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。」という一文に背中を押されたあの頃から、共感できた言葉があるから。
その言葉を探して、今日も読んでいるのだ。
この本の最後の言葉は、私自身が腑に落ちたことばだった。
「年齢を重ねて、自分に見合った旅をして、自分に見合った買い物をして、そうしてただひたすらに、「分」つまり強固な私になっていくだけだ。」
またひとつ言葉がみつかった。
2013年5月29日水曜日
2013年5月6日月曜日
憤死
綿矢りささん。
表題作「憤死」脳裏に焼き付くストーリーのイメージに油絵絵の具で描かれた佳穂の顔が浮かぶ。
それは私の作った佳穂の顔なのだけれど。
なぜ油絵具かって言えば、厚いから。
誰の土俵にも上がらない佳穂の天真爛漫さこそが強さだ。
セシューズ・ハイ 議員探偵漆原翔太朗
天祢涼さん
登場人物のキャラクターがたのしい。
世襲議員の身ながら、嵐を呼ぶ言動に翻弄される秘書のつぶやき。
何者にもとらわれない言動は本当の馬鹿か、天才か?
読み終わっても掴めない実像はシリーズ化予想がされる。
現実にはありえない流れの中で、現実にいる議員にイメージを重ねる。
結局、特権がたくさんあるって事なんでしょう、議員には。
庶民には手の届かぬお話です。
旅猫リポート
有川浩さん
遅ればせながら。
何度読み返しても泣けました。
ナナとサトルの旅は目的地の人達にそれぞれの大切なものを気づかせてくれる旅。
物語の根底に流れる、人を思いやる気持ちが心に灯火をくれる。
サトルのこころ。
運命を受け入れ、関わる人々への感謝の気持ちを持ち続ける強さと優しさはどこから来るのだろうと考えながら読んだ。
育児放棄の親から、愛情深い親に出会い、突然その親をなくしたサトル。
現実を知らせる強い言葉にも心を閉ざすことなく相対する心の強さはどこから来るのだろう。
相手を想う気持ちの深さ。
相手に対する感謝の気持ち。
相手が持つであろう自分への想いを汲み取る心の豊かさ。
リポート04ノリコの中の、
ナナがつぶやく悟との5年間のくだりは気持ちを揺さぶられずにいられない。
登場人物が入れ替わり立ち代り語りかけつくる。
そのなかでのナナのサトルへの思いが、歯がゆさが手に取るようにわかる。
実写されるのかなー。
天翔る
村山由佳さん
乗馬耐久競技(エンデュランス)という競技をめぐる人間と馬との関わりの世界。
様々な過去や苦い思いを心に抱えた人々の回復の途上が描かれているように感じた。
逢いたくても逢えない人がいる。
この世界では誰もが経験するだろう。
届かぬ思いをどうしたらいい、そんなせつない胸の内を分かり合える人が身近にいることへの感謝を思った。
その人を忘れないことが、生きている私たちに出来ること。
忘れたい過去から逃げられないでいる人。
誰にもわかってもらえない、知られたくない過去にうなされる日々。
話して楽になるならば誰かに話せばいいけれど、話すことが全てではない。
経験しなくてもいいことを経験してしまった人がいる。
わかってほしい気持ちと、他人になどわかるわけがないという気持ち。
何かに変えられないだろうか。
私自身もまだ変えられないけれど、過ぎた日々の中で、振り返り「馬鹿モノ」とじぶんに投げかける言葉の強さは弱くなっていく。
「馬鹿モノ」の自分は未だに生きている。
それでも、大切なものに出会い、自分の愚かさを今でも反省し、忘れたくない事を忘れず、生き続けている。
知らない世界はまだまだたくさんあって、愚かな自分に出会う人生の旅はまだ続いている。
自分の周りにいる人達を大切にしていこうと思えた。
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