2010年11月8日月曜日

大いなる暗愚

 藤原正彦さんのエッセイは面白く楽しい。
 これは週刊新潮連載のコラム集。

 藤原家の子育ての著作を持つ美しい奥様の、この本における毒舌さながら、ご本人の自己表現の文章に抱腹絶倒しながら読み進める時間の楽しさで、一気に読み終わりました。

 「書くことは考えること」なのだ。カツンと本質にぶつかった時は幾何の問題でうまい補助線を引けた時のようにうれしい。・・・・・・とある。数学者らしい表現で思わず頷いた。

 初めて餃子を食べた高校2年生。そこから餃子が古今東西の料理中最高と思う生活に入り、奥様との初デートに餃子を選び、餃子の焼きあがるまでのつけダレの準備に奥様が感銘をうけたらしく、求婚に応じてくれたとする「用意万端を怠らない周到さ、食物に対する底深い愛情、なすべき仕事への驚嘆すべき集中力、などを印象づけられたのだろう。」という紹介の一文にチェック。

 口語に比べ、段違いに簡素で段違いに格調高い文語を知る幸せ・・・という一説にうなずく。

 ノーベル賞やフィールズ賞の獲得は、獲得の30年前までの教育や研究水準の高さを映しているという一説に日本のこれからを不安に思うのは私だけではないだろう。

 『国家の品格』の著者である氏が日本を憂う胸中に 私は、歴史に学ばない日本・日本の底力=文化を失うな!などを教訓として肝に銘じた。
 

 

2010年11月4日木曜日

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです。その1

 村上春樹さんのインタビュー集
 1997年からのインタビューまだ読み始めです。
 「ねじまき鳥クロニクル」「アンダーグラウンド」に関する。‘アウトサイダー’と題するインタビュー。
 「アンダーグラウンド」は地下鉄サリン事件の被害者への取材から執筆されたものであるが、インタビューの中でも加害者側のオウム真理教の信者に対してはどうなのかとの問いがある。
 現在進行中との答えであるが、若い信者たちに対し、チェッキング・システムが備わっていない、そういう査定基準みたいなものを彼らに与えるのは、小説家の一つの役目ではないかと話しています。
 「善き物語」という体験を。
 
 ここでは村上さんの真摯な姿を感じ、強い精神力の源が、彼にとっては走ることなのか・・・と。

池上彰の新聞活用術

 伝える力も売れ続けている池上さんの最新刊?
 情報収集の方法は、インターネット・テレビ・新聞とあります。
 2005年の統計では4人に1人しか新聞を購読していないそうです。
 どんな人が新聞を読んでいるか?仕事に打ち込み社会への関心が強いひと!
 そして、平均所得が一番高いのが「新聞派」だそうです。
 池上さんは何紙か比べる読み方を勧めています。それにより、数字の読み取り方や文章表現力、様々な視点、記者の姿勢・意識の違いが見えてくると。
 コラムや歌壇の一読のススメや投稿のススメもうなずけるものがあります。
 
 私にも知らない世界がたくさんあります。
 少しでも知識や社会的常識を身に付けたいと思う毎日ですが、日々の生活の中でそれにかける時間には制約があります。
 情報は求める者にやって来ると日々感じています。
 私自身は、情報を消化できる者になりたいと思っています。
 むかし、英語の苦手な私に「新聞の英語版を勧めてくれた人がいたナー」と思い出しました。
 アドバイスを大事にしていたら今頃は英語の翻訳前の本もよめていただろうに・・・。

正欲  朝井リョウ

 >作家生活10周年の著作。  大学生作家・サラリーマン作家と言われていた頃があったなと思う。  『正欲』  読み終わり考える。  読み取りの苦手な私は何が正しいのか?  作者の意図と違う感覚だと恥ずかしいと。  明日、死にたくない人の流れに乗るために思う。  このブログも登場人...