2014年3月3日月曜日

掛け替えのない弟の死33

 柳田邦男さんの『犠牲・サクリファイス』
 何か救いがあるかもしれないと読み始めた。

 11日間そばに居られた間が私にはなく、死亡宣告前の対面時間の短さが思い起こされた。
 こんなものなのだろうか。
 看護師である自分の浅はかな思い込みで、蘇生できたかもしれない弟を見殺しにしたのではないかと、恐ろしさで頭がいっぱいになる。絶対に助けたい気持ちがあったのかと。
 心電図がまっすぐだったのは私の見間違いだったのではないか。
 亡くなる前に何もしてあげなかった。
 あんな機械だらけの救急室で死亡宣告なんて。
 死後の処置を一緒にできなかった。希望すればできたかもしれないのに。
 後悔やすまなさでいっぱいだ。

 死んでしまったのに何を説明されても仕方がないと、質問もしなかった傲慢な自分は
 親の初動や説明ができない事に対して不満を抱いていた。
 なんて身勝手な人間だろう。
 弟の対して言い逃れができないことをしていた。


 もういない弟に許してもらうこともできない。
 一生考え続ける。

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