2014年3月3日月曜日

掛け替えのない弟の死32

 心の中に何かが溜まっていく。

 心臓マッサージを続ければ心臓が動いたかもしれない。
 医者の言葉に対し、諦めが早かったのかもしれない。
 私が可能性をつぶしたのかもしれない。
 どんどんその思いが大きくなる。


 気持ちが後ろ向きで涙があふれてどうしようもない。

 今週の日曜日には49日を迎え、お墓にお骨を収める。
 祭壇がなくなる。
 居間にお供え物や花が飾られなくなる。

 
 あの日のままの弟の部屋は、弟の残り香をいつまで感じさせてくれるのだろうか。

 私はこうしてここに心の中の澱を綴る事で、弟に赦しを請えるのだろうか。

  何のための死だったのか納得できないのは、後悔している自分が受け入れられないだけなのか
、弟への依存から抜け出せないのか。
 大人になれない自分、勇気のない自分、何もしようとしない自分、情けない自分、どうしようもない自分が認められない私はいつまでも堂々巡りをしているしかない。
 

 心停止後の蘇生率を調べて何になるのだろう、生きていた可能性を今さら考えて何になるだろう、それでも考えずにいられない。

 地面を這いずっているようなこの時間は自分を許す理由をみつけているだけの自分勝手な時間でしかない。それでも、そうしないと許せない自分自身がいる。
 なんて傲慢なのだろうか。

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