2014年1月26日日曜日

弟の死

 先週の日曜日、大河ドラマを見始めたころ「和也が救急車で運ばれた」と父より電話。
 旦那に頼み、車を出す。
 実家には父だけ、すでに救急車は出ていた。
 病院に着いたが、「覚悟していてくれ」と救急隊員に言われたと母が言う。
 処置室では蘇生されているであろう弟。姿は見えない。

 呼び入れられた部屋の別途には、挿管され心マッサージされる弟。
 目は半開きだった。
 思わず手を握る。
 ベットから滑り落ちた弟の手を握り、さすり続けるしかない。
 

 CTとX-Pを撮り原因をみたいと医師。
 断ることもできないし、弟が戻るとも思えない。
 検査から戻っても、なおざりなアンビューバック押しに悲しみしかない。

 もう戻れないであろう意識。
 呼吸も心臓の動きも。


 手を握る。
 和也。


 これからなのに。
 家で一番必要だった。
 なぜなの。
 理由なんて見つからない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

正欲  朝井リョウ

 >作家生活10周年の著作。  大学生作家・サラリーマン作家と言われていた頃があったなと思う。  『正欲』  読み終わり考える。  読み取りの苦手な私は何が正しいのか?  作者の意図と違う感覚だと恥ずかしいと。  明日、死にたくない人の流れに乗るために思う。  このブログも登場人...