朝になると、実家の離れから朝ごはんに出てくる弟がもういないという事実を考える。
そうかもう君はいないのかという本の題名が頭に浮かぶ。
頻繁に浮かぶ。
寒かった離れ。
何の理解もしていなかった。
弟の勝手だ、くらいの感覚しかなかった。
父は弟の死後に「寒い部屋に住まわせた」と後悔していた。
本当に苦労と苦痛しかかけていなかった。
姉弟としての配慮は自分勝手な思い込み、都合のいいような解釈で終わってしまった。
いつか力になれる機会が巡ってくるなんて悠長な時間の猶予はなかったんだ。
悔しくて情けなくって、何を怖がっていたんだと自分に言いたい。
拒否されるのを怖がる自分は人間関係すべてに面倒であろう事柄から逃げている。
かわいい弟なのに、
苦労や不安をわかってやれなかった。
共有すべき不安や苦労はたくさんあったはず。
弟は一人で考えていたのだろうか。
一緒に考えていてくれた人がいたらよかった。
結婚相手を紹介するという話に、「お願いします」と言ったと。
意外なことだが、
弟の気持ちの変化があったのだろう。
前向きになってきたのに。
考えるほどに無念だ。
2014年1月27日月曜日
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