イタリア語通訳の田丸公美子さんのエッセイ集。
タイトル『目からハム』は日本語の『目からうろこ』のイタリア語訳だそうです。なんともユーモアの感じる訳でしょうか。
田丸さんの文章は、とにかく面白い。
イタリア人の気質について、イタリア語の同時通訳としてのエピソード、イタリア人の友人達との関係などなど、今までの経験談・体験談を、ユーモアのわたに包みつつ、赤面することもストレートに楽しく読み進めることができる。
私がシモネッタこと田丸さんを知ったのは、故米原万里さんのエッセイだったが、ロシア語の通訳であった米原さんが、シモネッタと命名するほどの(シモネタ)上手の田丸さんは、イタリア・イタリア人に憧れ、生粋の日本人気質のご自分を《イタリア化》してきたのではないでしょうか・・・。
少なくとも、文章や、息子さんとのやり取りを読んでいると、そう感じる。
著書『ドラゴン姥桜』のなかの親子関係も流石だが、この本の中のエピソードも笑える。
現役で同時通訳を続ける著者の絶え間ない努力を感じ、真摯に向かう姿に脱帽し読み終えた。
2010年12月14日火曜日
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