2014年5月19日月曜日

弟への想い48

 悔しさに気持ちがとらわれてしまっている。

 真面目に仕事をして、週末は一人で出かけていた弟。

 遮光カーテンの中の生活は日常だったのだろうか。
 仕事から帰宅し、父母のいる母屋へ入浴し、夕飯を食べに行く毎日。
 そのあとは部屋に戻り、自分の世界にいた。

 何を考えていたのだろうか。

 こんな人生は望んでいなかったと言われるのが怖かった。
 私(姉)のせいで、自由にできなかったと言われるのが怖かった。
 

 私が結婚してすぐに、義理両親と住む婚家へ来た弟。
 「いつでもおいで」というと「ほんとに来ちゃうよ」なんて言った。
 けれど、婚家の親は不審な顔をしていて、私は縮こまっていた。
 それから弟が来ることはなかった。
 なんて姉なんだろうか。
 自分の身を守るために弟を切ったのだ。

 それからなのか、私は義理父母が嫌いだ。

 弟の居場所を作る機会を自らの手で切ってしまった。
 神経の細かい弟は私の心に気づいただろう。
 そして、傷ついただろう。

 私は本当に弟を傷つけてばかりだった。

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