2014年4月24日木曜日

弟の死43

 3か月が過ぎても、受け入れられないまま。
 ここ何日かで墓参りを繰り返した。

 何の慰めにもならないが、墓には弟の骨がある。
 姿は違えど実体がある。

 これこそ私の求めるものなんだ。
 実体が懐かしい。
 残像はだんだん不明瞭になっていく気がする。
 それが悲しい。

 弟の姿を見たいと思う。
 願いは叶うことはない。

 面影はあやふやだ。
 いつでも見ることができると思っていたからじっくりになんて見たことがなかった。

 弟からしたら、何の期待もない姉だったのだとわかってはいる。
 だけど、姉として何もできなかった情けなさはどうしたらいいのか教えてほしい。
 助けられなかった。
 助けられたかもしれないなんておこがましいが、何かを弟にとっての何かを救ってやりたかった。

 弟にとって最後の砦になりたかった。
 そうなれる日々が近いと思っていた。それなのに。
 やるべき今を見逃してきたのか。
 見ていたのに見えない振りをしていたのではないか。
 それを否定できない自分が怖ろしい。
 

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