2013年2月23日土曜日

イノセントブルー

 神永学さん
 心霊探偵八雲シリーズの一作が静岡新聞の子供版に連載されてから読者になりました。

 今度は前世を旅するお話。

 登場人物の過去から前世を共有しようとする才谷梅次郎と名乗る謎の人物。
 ‘魂は引き合う’‘魂は生まれ変わっても、縁のある人と引かれあう’と前世の因縁が織り成す物語は不思議に安心する。

 それぞれを想像しながら、過去の物語を読み解いたり。
 現在をどう生きようかと迷う人々に幸あれと願う。
 悔いのない人生を送るために、諦めない。

 『過去は幻影としての刺激を保ちながら、その生命の光と動きを取り戻して現在となる』というボードレールの言葉により、忘れることで今生の生を全うしようとする愛すべき人間の姿が見えてくる。
 間違いを認めることは辛いことだが、そこから道が開ける。
 人生悪いことばかりじゃないと言われている気がした。

 

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