「お母さん胸が苦しい」
これが最後の言葉だったらしい。
らしいというわけは、俺は死んだから自覚できないんだ。
ただそれだけのこと。
どんなにこの言葉を言いたかったか。
「お母さん」言えなかった。ずっと言えなかった。
この世で最後の言葉がやっと言えた言葉なんて皮肉なもんだな。
家の離れに住んでいた俺は、風呂と朝飯夕飯にしか母屋には行かなかった。
行かずに済んでいたのは日常としては楽だったが、精神的にはきつかった。
父親と母親とどう関わっていいかわからずに過ごしてしまったからな。
姉貴は勝手気ままに家を出て、今じゃ2人の息子に振り回されている。
俺はもっと関わりたかったんだよな、甥っ子たちに。
何を遠慮してるんだか、俺のことが怖いんだか、姉貴は黙っちゃう。
話しかけてくれなきゃ。
分かってないままだった。
俺の本心が全く伝わらないままで、勝手に怖がって、避けようとしているのが
丸わかりなんだよな。
卑屈になっている感じ。
姉弟だって、分かり合えるわけないんだよ。
思いやってくれてるんだろうが、ピント外れ。
言いたいことがあったら言ってくれたらよかった。
それでも、入院した時はすぐに来てくれたんだよな。
ケーキいっぱい持って。
腹減っていたから全部食べちゃったけれど、よかったのかな?
困ったときは使えそうで、少しうれしかった。
2018年3月13日火曜日
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