柳田邦男さんと香山リカさんの対談集
東日本大震災を挟んでの対談になり、日本人全体が大きな転換を迫られた事柄が起こった。
3.11後の世界をどう生きるか?とよく問われるようになったが、‘生きづらさ’の解決は‘生きなおす機会として捉えることが大切だと締めくくられている。
生きづらさの根底にあるものとして、生き物としての原点〈自分で行動を起こして何かを獲得する喜びと幸せ〉に気づくことが必要と結んでいます。
『何者』かにならなくてはいけない、人と違う何かを持たなければいけない、効率的に物事を進めなければいけない、夢を持たなければいけない・・・。
追い詰められていく現代人が思い込んでいる事柄だ。
他人と比べる必要はなく、人から与えられるものではつまらない。
生と死について、父親をなくしたばかりの香山さんの体験や、グリーフ・ケアにも造詣の深い柳田さんの持論は、誰もが迎える『死』を人生をより善いものにするものとしてとらえるためのヒントをたくさんふくんでいる。
亡くなった人を忘れないことが一番の供養になると思う。
その人が見えなくても、思い出を身近な人と語ったり、思い出すことでより近くに感じることもあるのではないか。
『2.5人称の視点』とは、柳田さんが推奨する医療者としての立場だが、
これは医療の現場だけでなく、世間一般でも必要なのではないか?
東日本大震災ご、復興という言葉が何もかも許されるキーワードになっていた感があるが、
前の通りに戻すのが復興ではなく想像力を駆使することで想定外などという言葉に惑わされずに未来を見据えることが大切なのだろう。
悲しみと向き合う時間の大切さも・・・。
悲しむ権利も保証することも大切です。
生きなおすためのヒント。
「私は何のために生まれてきたのだろう」私自身もよく頭に浮かぶフレーズ。
哲学者でもわからない問に悶々とするのはやめて、心を開いて、今をしっかり生きる。
誰の人生でも、棺桶に入るまでどんなことが起こるかわからないものだ。
2013年2月8日金曜日
2013年2月6日水曜日
ことり
小川洋子さん
静かな時間が漂う、独特の世界に浸りました。
ひとつのものがあれば物語を紡ぐことができると何かで読んだことがあります。
小川さんが言っていて、その当時読んでいた本の何かに潜んでいる物語が秘密めいて感じられた記憶があります。
小鳥の小父さんの物語。
私自身の日常の隣り合わせに存在する人々の日常。
関わることのない自分以外の人の日常に対して、想像以上の何かがある。
そんな文章です。
ひとりの人の人生を、申し訳ないほど小さな事柄に愛おしさを感じさせる。
小川さんの文章にいつも感じる。
小父さんにだけわかる‘ポーポー語’を喋るお兄さんに深い愛情を持ち、お兄さんの世界と日常をつなぐ役目を担う小父さん。
お兄さんの気持ちに寄り添い、お兄さんの世界を守りきった小父さん。
お兄さんを見送り、お兄さんとの思い出の中に生きようとした小父さんの前に現れた小父さんだけの日常。
出会い、別れ。
幸せだったのか?
もっと違う幸せを求めても良かったのではないか?
理不尽な扱いに抗議をしてもいいのではないか?
私は読みながら違う展開を願っていた。
それでも、小父さんは自分の領分の中で、大切な時間を過ごしていたのだと思えた。
「想像してみてください」という最近のドラマのいつものセリフが頭の中でこだまします。
静かな時間が漂う、独特の世界に浸りました。
ひとつのものがあれば物語を紡ぐことができると何かで読んだことがあります。
小川さんが言っていて、その当時読んでいた本の何かに潜んでいる物語が秘密めいて感じられた記憶があります。
小鳥の小父さんの物語。
私自身の日常の隣り合わせに存在する人々の日常。
関わることのない自分以外の人の日常に対して、想像以上の何かがある。
そんな文章です。
ひとりの人の人生を、申し訳ないほど小さな事柄に愛おしさを感じさせる。
小川さんの文章にいつも感じる。
小父さんにだけわかる‘ポーポー語’を喋るお兄さんに深い愛情を持ち、お兄さんの世界と日常をつなぐ役目を担う小父さん。
お兄さんの気持ちに寄り添い、お兄さんの世界を守りきった小父さん。
お兄さんを見送り、お兄さんとの思い出の中に生きようとした小父さんの前に現れた小父さんだけの日常。
出会い、別れ。
幸せだったのか?
もっと違う幸せを求めても良かったのではないか?
理不尽な扱いに抗議をしてもいいのではないか?
私は読みながら違う展開を願っていた。
それでも、小父さんは自分の領分の中で、大切な時間を過ごしていたのだと思えた。
「想像してみてください」という最近のドラマのいつものセリフが頭の中でこだまします。
前世探偵カフェ・フロリアンの華麗な推理
大村友貴美さん
題名に惹かれ読む。
謎解きはディナー・・・好きの中1息子の本を探索中。
幽霊や暗がりがまだ怖い息子の読める本がなかなか見つからず、赤川次郎さんなどを勧めようかと思っても、題名でアウト!
『何者』を読みたいと傍らに置いてあった本を希望するが、まだ難しいだろうと思うし。
そこで、題名から選びました。
いい感じです。
お姉系ママショウのキャラクターで、掴みはOK。
短編の1つ1つも息子の好きな歴史モノも散りばめられていたり。
人間の優しさが感じられる内容だと思います。
人の話を聞く姿勢や思いやり、ひとを包み込むような優しさを持つショウのような人に出会いたいと思ったり。
エンターテイメントとしても、時代が変わったり、事件だったり、ひとりの人間の問題だったり、と一気に読めます。
先日読んだ、伊坂幸太郎さんの『死神の精度』もキャラクターが面白く、話の中で出てきた人物に繋がりがあったりしてどんどん読み進めるものが好きな私には楽しい時間でした。
同じように楽しい時間を過ごせた一冊でした。
題名に惹かれ読む。
謎解きはディナー・・・好きの中1息子の本を探索中。
幽霊や暗がりがまだ怖い息子の読める本がなかなか見つからず、赤川次郎さんなどを勧めようかと思っても、題名でアウト!
『何者』を読みたいと傍らに置いてあった本を希望するが、まだ難しいだろうと思うし。
そこで、題名から選びました。
いい感じです。
お姉系ママショウのキャラクターで、掴みはOK。
短編の1つ1つも息子の好きな歴史モノも散りばめられていたり。
人間の優しさが感じられる内容だと思います。
人の話を聞く姿勢や思いやり、ひとを包み込むような優しさを持つショウのような人に出会いたいと思ったり。
エンターテイメントとしても、時代が変わったり、事件だったり、ひとりの人間の問題だったり、と一気に読めます。
先日読んだ、伊坂幸太郎さんの『死神の精度』もキャラクターが面白く、話の中で出てきた人物に繋がりがあったりしてどんどん読み進めるものが好きな私には楽しい時間でした。
同じように楽しい時間を過ごせた一冊でした。
2013年1月22日火曜日
下に見る人
酒井順子さん
「2人いれば人間関係は出てくるものだ」と研修で聞いた言葉が今でも耳の残っています。
著者自身が内省する中で、明らかにしていった人間の根本心理といったことなのでしょう。
様々な項目において、上下や同類と異種の関係を、著者自身を基準として書かれています。
人ごととして書かれていないところが著者らしい。
エンガチョ、敬語、ドリフなど同年代の私は「そうだったなー」と頷きます。
〈みんなちがって みんないい〉
〈世界で1つだけの花〉
世の中の人すべてが、今自分が持っている価値観と同じモノを持っているのではないこと。
年齢・立場・状況により、人は変わっていくこと。
相手も同じ人間だっていうことの気づいて生活していくことが大切なのだろうなーと私は思っています。
だって、通常の人間関係の中で、私が「嫌い」と思っている人が、私のことを「好き」なわけはないのですから。
私が下に見ている人が居たとしても、その人が生活していく上で何の支障も来さないのが、日常の中の人間関係だとただのパート主婦は実感しているのです。
「2人いれば人間関係は出てくるものだ」と研修で聞いた言葉が今でも耳の残っています。
著者自身が内省する中で、明らかにしていった人間の根本心理といったことなのでしょう。
様々な項目において、上下や同類と異種の関係を、著者自身を基準として書かれています。
人ごととして書かれていないところが著者らしい。
エンガチョ、敬語、ドリフなど同年代の私は「そうだったなー」と頷きます。
〈みんなちがって みんないい〉
〈世界で1つだけの花〉
世の中の人すべてが、今自分が持っている価値観と同じモノを持っているのではないこと。
年齢・立場・状況により、人は変わっていくこと。
相手も同じ人間だっていうことの気づいて生活していくことが大切なのだろうなーと私は思っています。
だって、通常の人間関係の中で、私が「嫌い」と思っている人が、私のことを「好き」なわけはないのですから。
私が下に見ている人が居たとしても、その人が生活していく上で何の支障も来さないのが、日常の中の人間関係だとただのパート主婦は実感しているのです。
捨てない知恵
石黒智子さん
生活様式の変化が流れとして掴めます。
それは著者が、毎日の生活を大切に、こだわりを大切に、過ごしてきた時間を積み重ねてきた
結果なのでしょう。
何のこだわりも突き通せぬ、いや・・・こだわりを持たない私には到底行き着かない領域です。
美的感覚のない息子にしてしまった現実を見る度に、深く反省。反省だけで終わってしまう私。
モノを減らし、気に入ったモノを大切にする。
そんな生活が出来ないのはなぜなのか?
理由を求めて、〈読み物サーフィン〉状態の私。
モノを減らせない、モノを活かせない、モノを使いこなせない。
結局、こだわりを持つ自信がない・・・。
自分に自信がないってことだろうと思うわけです。
せめて、1つでも、私にもこだわれるところがないかと読むのですが、旦那の親と暮らし、居候状態、お皿1枚自分の好きなものを使うことも出来ない・・・こんな状況が頭の中で、妄想爆発へと向かわせるのです。
台所は主婦の城!
そんなセリフが頭の中でこだまします。
私の城は何処に!!!!!
日々葛藤の毎日の中で、「いいなー」のオンパレード。
こだわるには財力も必要です。
パートのお金を貯めて、いつの日か
こだわりを実現する何かをみつけようと虎視眈々と目論む私です。
こだわるには、知識も大切。
毎日を真面目に生きていく中で、つけていく知恵や知識を大切にする。
というのを再確認しました。
生活様式の変化が流れとして掴めます。
それは著者が、毎日の生活を大切に、こだわりを大切に、過ごしてきた時間を積み重ねてきた
結果なのでしょう。
何のこだわりも突き通せぬ、いや・・・こだわりを持たない私には到底行き着かない領域です。
美的感覚のない息子にしてしまった現実を見る度に、深く反省。反省だけで終わってしまう私。
モノを減らし、気に入ったモノを大切にする。
そんな生活が出来ないのはなぜなのか?
理由を求めて、〈読み物サーフィン〉状態の私。
モノを減らせない、モノを活かせない、モノを使いこなせない。
結局、こだわりを持つ自信がない・・・。
自分に自信がないってことだろうと思うわけです。
せめて、1つでも、私にもこだわれるところがないかと読むのですが、旦那の親と暮らし、居候状態、お皿1枚自分の好きなものを使うことも出来ない・・・こんな状況が頭の中で、妄想爆発へと向かわせるのです。
台所は主婦の城!
そんなセリフが頭の中でこだまします。
私の城は何処に!!!!!
日々葛藤の毎日の中で、「いいなー」のオンパレード。
こだわるには財力も必要です。
パートのお金を貯めて、いつの日か
こだわりを実現する何かをみつけようと虎視眈々と目論む私です。
こだわるには、知識も大切。
毎日を真面目に生きていく中で、つけていく知恵や知識を大切にする。
というのを再確認しました。
2012年12月28日金曜日
ノエル
道尾秀介さんの小説
王様のブランチで紹介され読む。
ちょうどクリスマス前後に読むことで、贈り物のような物語に酔いしれることができたかも。
続けて息子に読むことを勧めたが、物語の本質を捉えられたのか・・・
私にしてもどうかわからないが・・・
物語に出てくる人々の心に寄り添い、頭の中で映像化して読み進めることにした。
どうしようもない運命を引き受けようとする人、そこに物語が絡んでくる。
「自分でつくる物語は、必ず自分の望む方向へ進んでくれるものだから。」
という言葉は、私の昔の夢をきっぱりと言い当ててくれた。
そうだったと。
知りたいものが知れる、分かってくる。
逃げ込むのではない。
物語は物語の中だけでなく、現実をも変えてくれる力がある。
読み進めていく間は物語の中に溶け込み気持ちの昂ぶりを覚え、一息ついては成り行きに興奮し、読み終わって安堵する。
そんな物語が好きだ。
王様のブランチで紹介され読む。
ちょうどクリスマス前後に読むことで、贈り物のような物語に酔いしれることができたかも。
続けて息子に読むことを勧めたが、物語の本質を捉えられたのか・・・
私にしてもどうかわからないが・・・
物語に出てくる人々の心に寄り添い、頭の中で映像化して読み進めることにした。
どうしようもない運命を引き受けようとする人、そこに物語が絡んでくる。
「自分でつくる物語は、必ず自分の望む方向へ進んでくれるものだから。」
という言葉は、私の昔の夢をきっぱりと言い当ててくれた。
そうだったと。
知りたいものが知れる、分かってくる。
逃げ込むのではない。
物語は物語の中だけでなく、現実をも変えてくれる力がある。
読み進めていく間は物語の中に溶け込み気持ちの昂ぶりを覚え、一息ついては成り行きに興奮し、読み終わって安堵する。
そんな物語が好きだ。
2012年11月27日火曜日
南木佳士 猫の領分
医師であり芥川賞作家である。
還暦を迎え、出版会社の若き編集者との出会いが生んだ、自選エッセイ集。
読むのに時間がかかった。
それは読み進める内容が著者の歴史を前後するため私の中でいつのあたりかと年表を行き来する作業があったからだろう。
幼き日の生母との別れから、祖母との暮らし、父との確執、義母との関係、医大時代、研修医時代から勤務医になり人の死に自分を消耗させていた頃、パニック障害からうつ病へ移行した経過、脱却から病と共に生きる今までを、自らが選んだエッセイから収められている。
日々の暮らしの中で、身の回りに起こった出来事は、自分の身に置き換えたり、家族との関係を振り返ったり、本が与えてくれる世界に改めて思いを深くしたり。
著者の生活を覗き見している気分になったり。
小説を書き始めた頃、編集者に「よい小説を書くにはどうすればよいのでしょうか」と問い「まじめに生きること」と教えられた事・その編集者への想いを大切にする姿勢が医師としての日々と小説家としての日々を絆いでいるのだろう。
私にもパニック障害の友人がいる。その友人の苦しみを少し理解する必要があったのも、本書に出会った理由なのかもしれない。
還暦を迎え、出版会社の若き編集者との出会いが生んだ、自選エッセイ集。
読むのに時間がかかった。
それは読み進める内容が著者の歴史を前後するため私の中でいつのあたりかと年表を行き来する作業があったからだろう。
幼き日の生母との別れから、祖母との暮らし、父との確執、義母との関係、医大時代、研修医時代から勤務医になり人の死に自分を消耗させていた頃、パニック障害からうつ病へ移行した経過、脱却から病と共に生きる今までを、自らが選んだエッセイから収められている。
日々の暮らしの中で、身の回りに起こった出来事は、自分の身に置き換えたり、家族との関係を振り返ったり、本が与えてくれる世界に改めて思いを深くしたり。
著者の生活を覗き見している気分になったり。
小説を書き始めた頃、編集者に「よい小説を書くにはどうすればよいのでしょうか」と問い「まじめに生きること」と教えられた事・その編集者への想いを大切にする姿勢が医師としての日々と小説家としての日々を絆いでいるのだろう。
私にもパニック障害の友人がいる。その友人の苦しみを少し理解する必要があったのも、本書に出会った理由なのかもしれない。
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正欲 朝井リョウ
>作家生活10周年の著作。 大学生作家・サラリーマン作家と言われていた頃があったなと思う。 『正欲』 読み終わり考える。 読み取りの苦手な私は何が正しいのか? 作者の意図と違う感覚だと恥ずかしいと。 明日、死にたくない人の流れに乗るために思う。 このブログも登場人...
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本を読めるようになってきた。 桐野夏生さんの『だから荒野』 荒野を選んで生きてきた老人の言葉に、弟を重ねた。 弟が選んで生きてきたんだと思うことができた。 私にとっては荒野そのものの弟の一生。 私や親が干渉することを拒んできた弟の生き方だった。 それを...
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まだまだ一人でなく時間は続きそうだ。 弟の部屋の弟の布団を片付けたことも後悔し始めた。 こんなことの繰り返しだ。 ダニがわくなどと自分で言い始めて畳んだ。 実際ダニはわくだろう。 しかしそれがなんだというのだ。 今さらながら自分の浅はかさを思う。 ...
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久々に日記。 誕生日は仕事が休めないので、今日墓参りに行った。 次男を連れていく。 声を掛けたら、行くよと返事が来て、今までこそこそしていたが、変に気を使わなくなれたのはよかった。 切ないだけの日が、次に繋がった日になった。